最高本能 スンリ #2
~己を愛するから、非難も楽しむ~
批判や非難を聞くことは明らかに面白いことではない。 だが僕は喜んで批判と非難を受け入
れる。 いや、両手を挙げて熱烈に歓迎するという表現がもう少し正確だ。 批判と非難こそ僕が
そこまで分からなかった僕の短所が分かる機会であるからだ。
デビュー初め、表情管理ができなくて大変な苦労をしたことがある。 兄らとトークショーに
出て行った時のことだ。 MCが『アダルト動画を良く見るメンバー誰?』という質問をした時、
全員一致で僕の名前が挙げられた。 とても当惑した。 事実ではないのみならず、何気なく笑っ
て話す兄らが悔しかった。 怒りぽくなって即効傷つき笑うことはできなかった。 それでも早く
悪い気持ちを追い落とさなければならなかったのに、そうはなれなかった。 結局放送が終る時
までかたい表情で何も言うことができなかった。
放送されて波紋が広まった。 インターネットに『スンリを教育しなおしたら?』という抗議が
激しくてついに代表から呼び出された。
『スンリよ、お前がお前の心1つコントロールできないのに、どうやって人々の心を動かす事
ができるのか? 歌手は歌で人々を感動させる人じゃないの? お前のようにしていては決して
歌手にはなれない。それならやめろ』
度肝を抜かれた。 以前までならば『僕も人だから気分良くない事もあるよ。それをそのまま出
して何が悪いの?』といいながら自らを慰めて弁解するのに捕らわれていただろう。 もちろん
『人間 イ・スンヒョン』ならば、そのようなことが出来る。 気分が悪ければ顔に出して、
時には悪口も言う事ができる。 だが僕は歌手で放送人だ。 私的な席でないTVで感情をコント
ロールできないと言うのは、弁解の余地がない誤りだという事実を分からないとは、僕自身が
情けなくて最悪の状況だった。 片方では代表に感謝した。 叱られては空しくて気に障ったり
もしたが、ひどい目にあわなければ自ら誤りを悟ることができなかったからだ。
その次からは僕に対する指摘は無条件受け入れる。 そのすべてが血となり肉になる助言という
考えで全面的にうなずく。 そして指摘受けた失敗を再び繰り返すまいと最善を尽くす。
一度すれば『失礼』だが二度三度反復されれば『失敗』になるから。
『同じ失敗を二度しない』これは僕がデビュー後たてた原則だ。
時には『僕もかなりあくどい』という気がする。 傷を受ければ受けるほどさらに強くなると
いう話だ。 批判や非難に縮こまるどころかむしろ刺激を受けて頑張る時は自らを『自虐する
変態のようだ』という考えにもなる。 芸能人ならば大部分敬遠する中傷(悪性コメント)を、
歌や踊りに対する非難から人身攻撃性文までもれなく読む。 一文字一文字を胸に刻んで
『分かった。これからは人々がこういう考が浮かばないようにさせるよ』と歯をくいしばる。
僕は非難の別名は称賛だと考える。 実際にそうだ。非難された点を補完して成長する時、
非難は称賛に変貌する。 発展を認めて貰いたくない人はいない。 だから僕は非難を楽しむ。
称賛に変わるその日を想像して、僕に発展と成長の機会が与えられることに感謝し喜んで
非難を受け入れる。