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自叙伝『세상에 너를 소리쳐 ~世界に君を叫べ~』 を紹介するブログ
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                         最高本能 スンリ #1

~兄さん、僕が一度振り付けを考えます

ダンスチームのメンバーになった瞬間から新しい生活が始まった。

学校を終えて行き当たりばったりに友人と過ごした毎日は影も形もなくなった。

授業が終わるやいなや練習室に走って行って4・5時間ひたすら踊りだけ踊って過ごした。

それでも結果はそれほどついてこなかった。 兄たちが一度でやり遂げられる動作も僕の場合

には何日も練習して、やっとまねることができるという感じだった。 それでも良かった。

何かをしているという事実だけでも胸が熱くなった。 授業時間も頭の中では踊りの動作を

イメージしたし、休み時間と昼休みには教室の後で一人踊り練習に没頭した。 先生に大目玉を

食らうことも多かった。 もっとも、学生の本分の勉強を軽視して踊りに夢中になる教え子が

先生から見れば情けなく映っていただろう。 他人の目には希望のない姿に映ったかも知れないが

自らは堂々としていた。 僕は勉強が嫌いで踊るのではなかった。

僕がやりたい事、心から熱心にしたいことが踊りだったから踊りを選んだだけだった。

『何を』するかが重要なのではなく『どのように』するかが重要なのではないか? 

たとえ勉強ではなかったけど、何かに歯をくいしばって没頭する僕の姿がそれ自体誇らし

かった。 だがそんな時間はそんなに長くは続かなかった。 僕が入ってまだ3ヶ月過ぎない頃、

チームの解体が決定されたためだ。 『話にならない。 僕は一度も舞台に立つことも出来な

かったのに・・・、ここで終わらせろと?』 今まさに歩み始めたのに、このまま諦めるというこ

とは出来なかった。 ちりぢりに散ったメンバーを探して、またチームを設けた。 そうして集

まったメンバーが4人。ところが、なんとまあ、振りつけを考えることができる人がなかった。

僕は経歴が短いから当然のことであったし、他の兄たちもその間組んでいた振りつけに合わせ

て踊って居ただけで、本人達が直接振りつけを作ったことはなかったのだから。 兄たちはあき

らめる表情でたたずんでいた。 僕達だけでしてみようという熱意は一瞬に消えて皆ため息だけ

ついていた。 結局僕がその役割を買って出た。 またチームを設けた人が僕だから、導いていく

のも僕の役割だという気がした。

 

 

『兄さん、僕を信じて下さい。 僕が振りつけを考えます。』 『お前が? 振り付けを考えるっ

て?? ハハハ・・・、いまやっと基本技を習った奴が いっそ他のチームを調べてみよう。 どこ

でも受けてくれるところがあるよ。』『僕らはなぜまた集まったのですが。 僕が考えてみます。

何日か時間を下さい。』 兄らをかろうじて説得し振りつけ構想に入った。 どこから始めるべき

か漠然としていたが悩む時間もなかった。 数日中に振りつけを出せなければ兄らは考えをやめ

てしまうことが明らかだった。 あらゆるミュージックビデオを見て、その間に見た兄たちの踊

りを思い出しながら振りつけを組み立てた。 不足した実力を嘆く暇もなかった。 やり遂げなけ

ればならないという切迫感に夜を明かしながら振りつけに没頭した。 幸い完成された振りつけ

を見た兄らは『良いな』『してみよう』と、闘志にまた火をつけた。

おりしも将軍ホン・ギルドン祭りでダンス競演大会が開かれるという話を聞いた。

経験を積む事と振りつけに対する反応もチェックするのをかねて、祭りに参加することに

決めた。『逸話(エピソード)』というチームの名前はその時作ったのだ。『伝説に残る』と

いうそれなりの抱負を入れたチーム名称だった。

 

 

祭り当日、現場には多くのチームが待っていた。 皆アマチュアではあるが、すでにファン

クラブまで率いるほど有名なチームもあった。受賞は当初夢に見ることもできなかった。

恥をかかなければ幸い。 震える心を立て直し舞台に上がった。

観客らの関心がない表情に瞬間凍ったりもしたが幸い失敗なしで公演を終えることができた。

 

 

ところが信じ難い光景が広がった。 すべての公演が終わって挙行された授賞式で1位に

『逸話』が呼称されたのだ。 脚が震えた。 チームに入った瞬間から解体、再結成等々その間

の出来事が走馬灯のようにかすめた。 僕の挑戦が雲をつかむような夢や幼稚な行動では

なかった、という事実が立証されたと考えるや涙で前が見えなかった。

 

 

以後『逸話』は光州で分からない人がいないダンスチームで常勝疾走した。

運動音痴だった僕、イ・スンヒョンがダンサーで名をはせることになった。 チームリーダー

は別に居たけど、兄たちは僕を精神的な柱(?)のように感じてくれた。 最も困難な瞬間に突破

口を用意した僕が頼もしく見えたようだ。

 

 

後ほど放送活動をしながらも感じたことだが、年齢は数字に過ぎない。 実力があるならば

年齢が幼くても能力と認めてくれるし、他の人に影響力を及ぼすこともできる。

反面幼いということは、どんな防御壁にもなってくれることはない。

もし年齢がハンディキャップだと考えるならば、それを補う強みを用意することが正しいと

考える。 僕が始める前に恐怖にひざまずいたとすれば、難関にぶつかった時そのまま諦めて

しまっていたらどうなっただろうか? どんな人生が繰り広げられたかは分からないが、

これ一つだけは分かるようだ。 努力した後におさめた結果が与える快感を絶対感じる事が

出来なかっただろうという本当の話だ。

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