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自叙伝『세상에 너를 소리쳐 ~世界に君を叫べ~』 を紹介するブログ
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                         最高本能 スンリ #1

~足がつくすべての空間を練習室に

当時インターネットでサッカー選手パク・チソン兄の足写真をたまたま見つけた。

一目でその間の苦労が全て感じ取れる足だった。 傷とかたい肉、奇妙に歪んだ足の指…。

自ずと頭が下がる写真だった。 オーディションから落ちて再挑戦を準備しながら、ふいに

その足が思い浮んだ。 おかげで『今、体験する苦難ぐらいは雀の涙』と自らを慰めることが

できた。 僕の足はまだ完全だったから。

 

それでも大変なことは大変だった。 熱心にするという意志が空を突き抜けていたが、周辺状況

がその意志を揺るがした。 ひとまず宿舎から問題であった。 オーディション脱落と同時に、

兄らと合宿したアパートから荷物を出さなければならなかったのだ。 知っている人もなくて、

旅館のようなところに入ろうとすれば費用もバカにならず、またそうしたところでは僕を受け

入れてくれない。 両親に話せばもちろんお金を送ってくれたけど、負担をかけたくなかった。

結局 恥をかきすてて当時のキャスティングマネージャーの方にすがった。

『絶対に面倒もおこしません。ただ寝るだけで。あの~、ちょっとその家で過ごすことは駄目ですか?』

 

幸いマネジャーの方は快く許してくれて1つの峠を越した。 だが安堵感もつかの間、寝る

場所ができた僕に最も大きい心配が頭に強くのしかかった。 オーディションから脱落した

以上、これからはレッスンを受けることができなかったのだ。 僕を助ける人はひたすら僕

自身だけだった。 目の前が真っ暗になったが、座り込んでいることはできなかった。 悩んで

挫折するその瞬間にも時間は早く流れていく。 短期間に成長して変わった結果を出さなければ

ならなかった僕にはその時は悩む時間さえ贅沢であった。『行動』が必要な時期に『悩む』

時間は『捨てる時間』と同じだという考えが生じた。 1分1秒も浪費できなかった。

 

どうにかなるさ!という根拠ない希望を抱いて、やみくもに歌練習を始めた。 選択した曲は

タシャニの【日々】ムン・ミョンジン先輩が歌う男性バージョンを聞いた瞬間『この歌だ』

と思った。 実際これ以上悩んでいる暇もなかった。 よく歌うことができる歌を探すのに時間を

浪費するより、1つの歌を決めてありったけの力を注ぎ込む方が良いという判断だった。

 

嘘じゃなく同じ歌を数百回以上も聴いた。 目を開く瞬間から閉じる瞬間までその歌だけ聞いて

その歌だけ歌った。 兄らが練習を終えた明け方には練習室で、昼間は家で、マネジャーの方が

退勤して帰ってきた夕方には路上で。 横断歩道、店の前…、足がつく所ならどこでも歌を

歌った。 おかしな目で見つめる人もいたし、容赦なく『うるさい』と面と向かって非難する

人もいた。 それでも不思議に恥ずかしくなかった。 むしろそのような悪態受けるほどさらに

力が出た。 負けん気が発揮されたようだ。 『今は僕が狂った人のように映っているだろうけ

ど、いつかは感嘆に充ちた目で見る日が来るだろう。』まるで呪文を覚えるように繰り返し

繰り返し自分に唱えた。 それは僕自身との約束でもあった。 持ち歩いた楽譜は穴が空くほど

ぼろぼろだった。 各部分ごとに思い出してはメモをしていたためだ。『ここでは弱く、この

部分は強く、ここではちょっとゆっくり、この部分は感情を込めて』歌を聴きながら思いつく

感じを全て書き出して、そのまま歌にこめようと努力した。

 

不足した実力が突然日進月歩することはできないだろうが、努力と成長の跡だけは明確にあら

われなければならなかった。 隠された可能性を見せてこそ与えられた機会を捕まえることが

できると思ったので、これ以上書く隙間ないほど過密になった楽譜に再びペンを当てたりした。

そうして一週間の時間が矢のように過ぎ去った。

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