馬鹿力本能　T.O.P ＃３　　

～８度倒れても、また起きることができる脚をもったから～

いつか俺のホームページに書いた日記の一節だ。

実際芸能人とは華やかな反面、想像を越える自己管理が必要とされる。 芸能人は多くの人々に

露出する職業で気が付くとやや良くない憶測や噂に巻き込まれやすいものだ。

ビッグバンメンバーらの場合には自己管理により一層徹底している方だ。 個人的に外出する

ことも少なく、他の芸能人らとの親密な関係も殆どない。

アンダーグラウンド時代俺の芸名は【T.E.M.P.O】だった。 人生で速度(テンポ)がどれくらい

重要か、俺自身をコントロールしながらとてもはやいと思う時は少しゆっくりした歩みで歩こう

という意で作ったのだ。 ビッグバンとしてデビューしてそのイニシャルの一部を取って【T.O.P】

という名前をつけた。 結局T.O.Pという名前の中にT.E.M.P.Oの意味も含まれているわけだ。

殺人的スケジュールの為に体力の限界を感じながらも、ひっきりなしに何かをするんだ！

という欲が生まれる。 準備しておかなければ遅れをとるような気がするためだ。

世の中で最も香しい香水はバルカン山脈のバラから産出される。 ところが最も良い香水を得るた

めには最も気温が低い１日の午前０時から夜明けの２時の間にバラを摘まなければならないのだ。

その時最も良い香りを放つからだ。 バラが最も暗くて寒い時間に香ばしくなるように、俺らの

人生も多くの試練があってこそはじめて濃い香りを作り出すことができるのだ。

同じ年頃の友人らが大学入試のために夜中勉強する時、俺たちは音楽のために思い切って学業を

あきらめたし、他の人々が大学キャンパスで若さを満喫する時、俺たちは練習室でつらい訓練を

満喫した。 俺たちは俺らが望んだ世の中がすべてだったので他の人々と違った人生を生きるとい

う自覚さえ考える時間がなかった。 ラッパーに対する夢を初めて持った時もただ漠然と『歌手に

なりたい』という考えに留まるよりは、俺がラップをしたい理由について歌詞を書きながら深く

悩んだ。 悩みなく吟ずるラップは意味のない形容詞でいっぱいな戯言にすぎない。ラップは自身

の考えとマインドを大衆に伝える事だと思うから。 俺は考えが多い自分自身が好きだ。 長く考え

る中でどんな結論がおりたとしても、それに向かって果敢に立ち向かって行くことができるから。

『果たして俺が行く道の終わりがどこなのか？』終わりなく広がる好奇心と期待感は今日も俺を

深い考えに陥るようにさせる。

[3回]